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不倫慰謝料について自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の違い

文責：所長弁護士石田俊太郎

最終更新日：2025年01月07日

　不倫慰謝料の請求においては、証拠や資料の収集（請求する側）、不倫慰謝料の請求後の連絡や交渉、訴訟の対応などを行う必要があります。

　これらのことを行うためは、大きな労力をかけたり、ストレスを抱えなければならないことはもちろんのこと、法律の知識や実務的なノウハウも必要とされます。

　ご自身で対応される場合には、当然これらのことをすべて自分の手で行わなければならず、解決が困難になることも想定されます。

　弁護士に不倫慰謝料の請求（または請求された場合の対応）を依頼することで、行うべきことの多くの部分を弁護士に任せることができるだけでなく、法律や裁判例に則った適切な解決ができる可能性が高まります。

　以下、不倫慰謝料を請求する側、された側それぞれについて、ご自身で対応する場合と弁護士に依頼した場合との違いを詳しく説明します。

　不倫慰謝料を請求する場合には、まず証拠の収集が必要となります。

　典型的な証拠としては、不倫相手との間でのメール等のやり取り、スマホ等に収められている写真、不貞行為の現場の写真・動画などが挙げられます。

　ご自身で対応する場合、どのような証拠が必要かという段階から考えなければなりません。

　また、証拠は集め方を間違えてしまうと、逆に損害賠償請求を請求されてしまったり、場合によっては犯罪になることもあり得ます。

　弁護士に依頼することで、証拠収集の一部を弁護士に任せたり、適切な証拠収集の仕方のアドバイスを受けることができます。

　次に、不倫をした配偶者や不倫相手に対して、内容証明郵便などを用いて具体的な慰謝料請求をします。

　ご自身で対応する場合には、どの程度の金額を請求するべきか、金銭以外にも請求してよいのか、という点を調査しなければなりません。

　的外れな金額を請求してしまったり、表現の仕方によっては脅迫になってしまう可能性もあります。

　弁護士に請求書面の作成を依頼することで、法律や裁判例に基づいた適切な請求をすることができます。

　書面で慰謝料請求をしても話がまとまらなかったり、連絡が取れないという場合には、訴訟を提起することになります。

　訴訟を提起する場合には、訴状などの所定の書面や証拠を裁判所に提出し、その後民事訴訟法に従った訴訟追行をしていく必要があります。

　訴訟には専門的な知識が必要とされるだけでなく、期日（裁判所で主張立証をする日）に裁判所に行かなければならないため、弁護士に依頼せずに行うのはとても大変です。

　まず、内容証明郵便などで不倫慰謝料の請求がなされた場合、請求の内容が適切であるかどうか、本当に支払う必要があるかどうかを判断する必要があります。

　判断するためには、慰謝料の相場や、証拠による証明の可否、慰謝料以外の要求の法的根拠の有無などを考慮する必要があります。

　もしご自身で対応をし、要求を鵜吞みにしてしまったりすると、本来支払う必要のない金銭まで支払ってしまったり、する必要のないことまでしなければならなくなる、ということが考えられます。

　次に訴訟を提起された場合には、民事訴訟法に則り、期日までに反論等を記載した答弁書を提出するなどの対応が必要となります。

　対応の仕方が分からず何もしなかったり、法的な効果がない内容の書面を提出した場合、請求とおりの内容で判決が確定してしまうことがあります。

　訴訟対応には専門的な知識が必要となりますので、弁護士に依頼することを強くお勧めします。